この記事では、3Dプリンタでのハンドメイド作品を販売して利益が出そうかを確認してみました。主に販売のプラットフォーム、どの程度の値段で売れているのか、どれぐらいの原価が掛かるのか、そして利益になるのか確認してみました。
メリット・デメリット
まずは、3Dプリンタでハンドメイドをするメリット・デメリットをざっくり確認します。
メリット
- 量産しやすい。3Dプリンタでハンドメイドするメリットはなんといっても量産がしやすいことです。一度データを作成してしまえば、自宅の3Dプリンタで出力するだけです。
- 工夫次第で利益の高い商品を作成できる。オーダーメイドなどの個別対応で販売単価を上げたり、自分だけのオリジナル作品を作れるので単価が高い商品を自ら作り出すことができます。
- ライバルが少ない。3Dプリンタが一般にはそこまで普及していないので他のハンドメイド作品に比べてライバルが少ないです。
デメリット
- 初期費用がかかる。3Dプリンタも最近ではだいぶ安くなりましたがそれでも数万は掛かります。
- 3Dデータを作成するスキルが必要。3Dデータを自分で作成する必要があるのでその作業が苦痛であればできないです。
- 3Dプリンタの設置スペースが必要。3Dプリンタは小さいものもありますが、小さいと出力できる物のサイズも小さくなるので必然的に大きめな3Dプリンタがおけるスペースが必要になります。
販売する場所(プラットホーム)
ネット上で販売できそうな場所は4箇所。ハンドメイド作品専門サイト、フリマアプリ、3Dプリンタ専用サイト、個人ショップ開設です。
最初はメルカリやminneで販売するのが良さそうです。SNSでマーケティングできるならBASEで自分のネットショップ開設が良さそうです。
minne | ハンドメイド作品の販売マーケット最大手。 同じようなハンドメイドサイトにcreemaもありますが手数料など基本的なところはほぼ同じです。 印象としてはminneの方がアマチュアの作品が多くユーザが多そうです。逆にcreamaはプロっぽい品が多いので高単価の物を作ってブランドを作っていくならこっちの方を選ぶのもありです。
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メルカリ(メルカリshop) | 中古販売のマーケット最大手。
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DMM.make | 3Dプリント販売専門のプラットフォーム。 3Dデータのみサイトに登録して、DMMがプリントして購入者に届けるスタイル。販売手数料が無料で在庫を抱えることがなく販売できるのがメリット。逆にDMMがプリントするのでオーダーメイドに対応できないデメリットがあります。 そして一番の問題はminneやメルカリと比べてユーザーが圧倒的に少ないことです。
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BASE(ベイズ) | 個人ネットショップ開設のプラットフォーム。 手数料が安いのでFacebookやTwitter、Instagramなどで自力で集客できるのなら一番利益を狙えます。 集客が狙えそうもなければ大人しくminneやメルカリなどのプラットフォームを使う方が良いでしょう。
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Amazonでは売れるのか?
Amazonで熱溶解積層方式3Dプリンタで作ったらしき物もありましたが出品のハードルは高いです。基本的には工業製品を販売する場所なのでJANコードを取得が必要です。免除申請する方法もありますがどちらにしても大変です。
売る準備ができたとしても大変です。実際に販売している人を見つけましたが、Amazonのユーザーは工業製品レベルの品質を前提に購入しているので酷評されていました。なので余程高性能な3Dプリンタを使うなど多額の初期投資をして大量印刷、検品する前提でなければ難しそうです。
そこまでやるなら金型を起こして工業製品として製造した方がいいかもしれません。
売られているもの
最も売れているのはクッキー型。特に動物ものが多いです。
あとは大手のメーカーなどが作らないニッチな商品(大量生産するほど需要がなさそうなアタッチメント)やオーダメイド品が比較的人気があリます。
売られている物は以下が多いです。
- クッキー型
- おもちゃのアタッチメント(プラレール、ミニ四駆、エアガンなど)
- 日用品のアタッチメント(掃除機、カメラなど)
- インテリア、雑貨(ペットの名前が入ったオーダーメイドなどが単価が高い)
- ミニチュア家具
- アクセサリ(光造形ができる3Dプリンタを使う人が多そう)
- コスプレ用品
大きさにもよりますが、簡単な構造の物なら大体1,000~2,000円ぐらいが多く、複雑な物やオーダーメイド品は3,000円以上になる印象です。
メルカリなどで以下の検索ワードで探せば結構出てくるのでぜひ探してみてください!
- 3Dプリンタ
- 3Dプリンタ製
- PLA
キャラクターイラストのクッキー型などがありますが、権利者に使用許諾を貰わずにし使用してしまうと著作権、商標権的にNGです。
著作権侵害
著作権は、小説、音楽、アニメなど作者の思想や感情が表現された著作物を対象とした権利です。
侵害例:キャラクターを模倣してハンドメイド作品として販売すること
出典:メルカリの”知的財産権を侵害するもの(禁止されている出品物)”より
2次創作などは申告罪のようなので黙認してもらえて、訴えられることは少ないですが、やりすぎると普通に捕まるのでご注意ください。特に海外などの厳しい企業に注意です。(気になる方は「スヌーピーグッズ偽物を販売」で検索)
利益が出るか計算
minneやメルカリ小さめのクッキー型5個セットを販売する場合を想定した場合で利益が出そうか計算をしてみました。自分の人件費を考えなければ利益は間違いなくでます。
製造原価
製造原価はざっくりで1セット50gでざっくり200円程度と安いです。
- 20セット × 145円(フィラメント125円+電気代20円)+ メンテナンス500円 =3,400円
- 流動費:3,400円/kg
- 固定費:試作日500円
詳細は以下で計算しています。
フィラメント代 | フィラメントは安めの1kgで2500円、1セットを50g(10g×5個)で想定。 1セットあたりの値段:125円(50g × 2500円/1000g) |
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電気代 | 定格300Wの3Dプリンタ3時間使った場合で仮定。電気は楽天でんきで22円/kwhを想定してざっくり20円。 (実際は定格より少ないはずですが、ざっくり300w× 3h × 22円/kwh = 19.8円) |
試作 | プリントする物を試作。修正2回するとして3回分でざっくり500円 (145円 × 3回 = 435円) |
プリンタのメンテナンス | フィラメント交換時にノズル清掃や交換で500円を仮で想定。 |
販売価格
minneやメルカリで1,000円〜2,000円で売られているので、ざっくり1,500円と仮定。
その他の経費
販売手数料、送料の2つがかかります。今回の場合はざっくりで350円
手数料 | 販売サイトの利用料がざっくり10%程度 1,500円×10% = 150円 |
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送料 | 200円程度 |
利益
1セットの利益はざっくり950円。
(売値1,500円 – 原価200円 – 経費350円 = 950円)
自分の人件費で必要な以下の作業を短時間で出来ればれば、時間あたりの利益は結構出そうです。
人件費 |
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おすすめの3Dプリンタ
基本的には有名どころを選んでおけば大丈夫です。有名どころなら消耗品が手に入りやすいですし、ネットで使い方や問題を調べれるので便利です。
個人的なオススメはQIDI TECH社のプリンタです。理由はサポートがしっかりしているので困ったときに質問したら24時間以内に返信がきます。
個人的に一般向けの3Dプリンタで大手だと思っているのは以下の5つです。
置くスペースが確保できるなら大きいものの方がオススメです。(3Dプリンタは大は小を兼ねる)
- QIDI TECH
- XYZプリンティング
- FLASH FORGE
- Creality
- ELEGOO
アクセサリなど緻密なものを作る場合
アクセサリーなど細かい物を作りたい場合は、積層ピッチが細かい光造形方式のプリンタ一択です。
光造形で使われる材料はアクセサリでよく使われるレジンというものです。綺麗に出力できますが、出力後に洗浄する手間があったりと安全に気をつける必要があります。
最後に
今回は3Dプリンタでのハンドメイド作品の販売について考えてみました。
利益ができることは分かったのでとりあえず色々と売ってみて、需要のある物・誰かに喜ばれる物を作って利益が出れば嬉しいですね。安定して売れて利益が出るようになれば会社をやめることも可能になるので趣味と実益を兼ねて頑張ってみようと思います!
この記事を最後まで見てくださってありがとうございました!